介護難民にならないためには⁉
制度あっても受けられるサービスなし!!
1月28日、介護保険アクションチーム主催で淑徳大学教授の結城康博先生による「介護保険の学習会」が神奈川ネット事務所にて開催されました。
今後、私たちや家族は、介護保険のサービスを受けられるのか!
社会保障給付費123.7兆円の中で、介護保険は11.6兆円。占める割合は、年金・医療についで第3位の給付額で、毎年増加しています。しかし、今、介護の現場では、人材不足が大きな問題となっています。
1人の高齢者を支える在宅ヘルパーが、一つの事業所では対応できず、2~4ヶ所の事業所から派遣されているというケースも少なくないようです。訪問介護ヘルパーの不足は深刻化していますが、全国のヘルパーの年齢構造から60歳以上が35%を占めており、今後10年のうちに3割は引退すると予想されています。厚労省の推計では、現状のままでは、2025年(団塊の世代が75歳となる)には、約30万人の介護人材不足の見通しとなっています。
先生によると、本当に問題となるのは2035年だろうと。団塊の世代の方が85歳を過ぎ、その半数が要介護認定を受けて何らかの介護が必要となると予想される中、多くの要介護者を支えるだけの介護職の人材確保は現状の動向を見る限り難しいと推察されるからです。まさに、制度があってもサービスを受けられない!という状態です。
介護の人材不足に対して、若い世代の方に介護という職を選んでもらうためには、先ず賃金の引き上げは不可欠です。賃金引き上げのためには、介護保険制度を基盤とした現場において、介護報酬の引き上げは必須であり、そのための公費投入などによる財源の確保が必要です。また、5Kと呼ばれる職場環境の改善も共に取り組んでいくべき課題です。外国人介護職の可能性やAI技術には、限界があるということ、介護はやはり人対人であることを強調されていました。
多くの要介護者や、これからの要介護者が、安心して介護サービスを享受できるようにしていくために、介護職不足の問題は市民全体で考えていくべき大きな課題だということを強く感じました。