がん予防に対する取り組みについて
6月の一般質問
今年3月、国は第4期がん対策推進基本計画により、「全ての国民ががんに関する正しい知識を持ち、がん予防をすること」「適切な医療や支援を受けて、尊厳をもって位ていくことができるがん対策を推進すること」「がん対策を全ての国民と共に進めていくこと」が重要としました。全てのがんの予防、治療、共生のために、国は積極的に情報を公開していく必要があります。
今回は、がん予防、特にがん検診が有効な子宮頸がんに絞って質問しました。
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス、以下HPVと言います。人に感染する型は100種類以上が特定されていますが、そのうちの30~40種類が性的接触によって感染します。更に、約15種類が子宮頸がんを引き起こすハイリスクHPVと呼ばれます。一般女性がHPVに感染しても、ウイルスの90%は自然排出されます。更に、軽度の前がん病変は、90%が自然治癒するとされています。
HPVに感染しても、前がん病変と呼ばれる状態になるには5年以上かかります。つまり、感染しても経過がゆっくりだということです。がん検診の目的は、死亡率の減少になりますが、子宮頸がん検診について、世界的には子宮頸がん予防です。つまり、がんになる前の前がん病変の時に発見して、治療していくこと、更には子宮温存して妊娠に繋げていくことを目的としています。そのため、20歳代の検診率を上げていく必要があります。
20歳代の検診者数を単純に全20代の人口で割ると、2021年は10%、2022年は7%でした。20代は、無料の接種券が配布されているにもかかわらずとても低い状態です。何故検診率がこのように低いのかと考えると、
1.検診の必要性について、市のHPやガイドブックなどから情報を得ることができない(前がん病変の状態で発見されることで、適切な治療へと繋げ、妊娠できる可能性が確実に上がることの周知がされていない)
2.情報不足から、市民が自ら検診へ行こうという行動へ繋がっていない
が挙げられます。
HPVワクチンの接種者は、国の積極的勧奨の再開により、増加しています。今年4月からは、シルガード9の無料接種も開始されました。現在、大和市でHPVワクチンの副反応が出現した方はいないということですが、今後も注視していく必要があります。人は、最初に得た情報に不足を感じなければ、それ以上情報を得ようとする行動をとることは少ないと思います。個別送付されている接種券と一緒に送られている国が作成したリーフレットは、副反応の記載が少ない概要版のみになっていますが、詳細版の送付へ変更するよう改善して欲しいと再度要望しました。HPVワクチンについて、副反応に対する懸念が払拭されていない今、できるだけ多くの情報提供により、リスクとベネフィットを考え選択できる体制を作るのは市の責務です。
市民が、がんの予防に対して、様々な情報を基に、自分の選択をしていくことができる体制作りに向けて今後も提案していきます。
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