子どもの免疫を脅かす有害化学物質 イソシアネート! その2

実は、私たちの周りに溢れている!イソシアネート!!

前回、イソシアネートの有毒性について、少し触れましたが、このイソシアネート。

実は、私達の身の回りで様々な製品となって存在しています。

イソシアネートは、N(窒素)とC(炭素)、O(酸素)で出来ており、それぞれは無害な原子なのですが、この3つが繋がると、危険なイソシアネートのしっぽ(-NCO)となって、これが色々な物にくっつくとイソシアネートの仲間入り!有毒となるのです。

イソシアネート1のサムネイル

npovoc研 特定非営利事業活動法人化学物質による大気汚染から健康を守る会 資料より

イソシアネートのゴム(塗料・接着剤・スポンジ・繊維)、イソシアネートで作ったポリウレタン(断熱材・伝染被覆)、イソシアネートの入ったアスファルト、セメント、漆喰、イソシアネートポリマー・ポリウレタンを使ってべニア板・絨毯、イソシアネート・ポリウレタンで包んだ香料・殺菌剤・農薬 などなど。どれも、私たちの身の回りにあるものばかりです。柔らかいものから硬いものまで、イソシアネートを何個つなぐか、何を挟むかにより、性質の違うものを作り出すことができます。そして、全部毒性が同じなのです。

下着や靴下など、ラベルをよく見るとポリウレタン○○%と、記載されているものをよく見かけます。伸びる衣類やすべすべした衣類に組み込まれていることが多いようです。劣化する過程でポリウレタンが分解し、イソシアネートが揮発する、と知ってしまうと、肌に直接触れる衣類にはポリウレタンの入っていない物を選ぼうと思います。まず、買わないという行為で意思表示です。

ポリウレタンのサムネイル

衣類の組成表示の一例(角田先生の資料より)

今、このイソシアネートにアレルギーを起こす人が増えてきているようです。イソシアネートが体内に入ることを阻止しようとする自己防御ともいえます。しかし、環境からイソシアネートが無くならない限り、屋外へ外出することもままならなくなります。

現在、環境中にあるイソシアネートの濃度の測定器は日本では販売されていません。輸入するしかない状態です。そのため、環境中のイソシアネートの分析すら行われていません。角田先生のように、個人的に又は、NPOなどが機械を輸入し、測定しているにすぎず、公的な機関での測定は進んでいません。

欧米では、イソシアネート対策にかなり力を入れてきており、労働環境規制値を検討するだけでなく、非常に毒なものととらえて地域生活環境規制も始まっています。国家的なイソシアネート対策は欧米だけでなく、東南アジアの国々も欧米に準じた対策が取られてきているようです。

製品の規制がされていかなければ、イソシアネートを含む製品は増える一方です。環境中のイソシアネート濃度も上昇するのみとなります。イソシアネートの毒性を多くの人が知ること、大気中のイソシアネートノードの有無を確かめられるよう簡便な分析器の輸入による分析を行っていくこと、その上で、環境に安全な製品の開発を促していくことが急務となります。

多くの市民が、正しい知識・情報を得ることができるように声を上げていくこと、これが第一歩です。